地域活動

環境にも社員にも優しいSDGs企業へ

株式会社オンワード技研

1986年に設立されたオンワード技研は、表面を薄い膜で覆うことで、工作機械の部品や工具、金型などの耐久性を高める「PVDコーティング」を手掛けてきた企業です。
近年になってSDGsに本格的に取り組み、再生エネルギー設備を導入した新工場を建設したほか、社内の働き方改革も推し進めて、社員が働きやすい会社づくりに努めています。


機械を長持ちさせる技術に誇り

オンワード技研のPVDコーティングは、金属の表面をカーボンやセラミックの薄い膜で保護することで、機械の部品などを衝撃や摩耗から守って、使える寿命を長くすることができる技術です。川畠丈志社長は「元々日本のものづくり企業には機械や工具を大切に使っていこうとする文化があって、当社のコーティング事業はそうしたお客様からの需要に支えられてきました」と語り、SDGsパートナーズへの参加についても、「資源が長持ちするように工夫して利用するなど、SDGsの活動は当社の事業内容とも重なるため、会社として積極的に推し進めていくべきだと感じました」との思いがあったことを教えてくれました。

川畠社長の言葉通り、オンワード技研は以前からSDGsにつながる活動に取り組んできました。コーティングの技術に磨きをかけるべく、会社で取得してきたコーティング関連の特許の数は、2023年現在で17件にも及びます。

パートナーズの登録を受けたあと、2022年12月に完成し、以前の本社から移転した新しい本社工場の建物にも、SDGsの考え方を取り入れました。再生可能エネルギーを活用できるように、屋根に太陽光パネルを敷き詰めて自家発電し、工場全体で使用するエネルギーの約2割をまかなっています。室内のエアコンをガスで動かすガスヒートポンプや、消費電力が少なく寿命が長いLED照明など、電力の使用量そのものを節約できる設備も導入して、省エネルギーと環境負荷の低減を図っています。

社員の働きやすさを高める改革

新本社工場では社員が働きやすい環境づくりにも力を注ぎました。工場とオフィスの配置や動線を工夫し、作業エリアの清潔さを保って、モニターで工場内のさまざまな場所をチェックできるようにするなど、快適で効率的に働ける設計を盛り込みました。

工夫された設計で社員が働きやすい環境に。

そのほかにも社員が働きがいを持てる仕事や職場のあり方を実現していくために、さまざまな改革を進めています。業務内容の見える化や情報の共有化を進めることで、育児休業などの休みをとりやすくし、男性社員でも半年程度の育児休業を取得する例が出てきています。遠くの地域からの就職者には会社が家賃を補助し、女性社員に対しては採用する職種や業務内容の幅を広げるなど、社員一人一人が自分に合った働き方ができる制度を整えてきました。中西勝徳営業部長も「働きやすい環境を用意することで、新入社員が多く入社してくれるようになり、職場への定着率も高くなりました」と働き方改革の成果に手ごたえを感じています。

さらに全社員を対象とした勉強会を開催してSDGsへの意識を高めたり、社内で少人数のプロジェクトチームを立ち上げたりしながらSDGsへの取り組みを強化しています。今後はチームに幅広い立場の職員を加え、チームビルディングに取りかかる計画です。能美市のほかの企業やSDGsパートナーズの団体とも手を取り合いながら、地域の魅力を発信していく存在になることを目指します。

《お話をうかがった方》
川畠丈志さん(株式会社オンワード技研代表取締役社長)
中西勝徳さん(株式会社オンワード技研営業部長)

関連するSDGsゴール

企業・団体情報

名 称 株式会社オンワード技研
活動紹介 社名の由来「EVER ONWARD=常に前進する。」 この言葉をモットーに、コーティング専業メーカーとして生産を行っており、全国のお客様の「ものづくり」を支え、社会への貢献や環境保全の調和を目指しています。
住 所 〒929-0112 石川県能美市福島町ほ106番地
URL https://www.onwardgiken.jp/

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