多彩な企画で文化的な暮らしをプロデュース
公益財団法人能美市ふるさと振興公社
公益財団法人能美市ふるさと振興公社は、市内にある文化施設や体育施設の管理と運営を担っている公社です。市民に施設を利用してもらうだけでなく、施設を活用したイベントなども開催して、市民生活を豊かにする取り組みを続けています。SDGsの視点も取り入れながら、地域の歴史や文化を発信したり、健康や体力づくりに貢献したりと、さまざまな企画を形にしています。
能美市の歴史や文化をイベント・体験で発信
3つの町が合併して誕生した能美市には、九谷焼作品を展示する美術館から多目的に利用できる福祉会館、温泉交流館、体育館、競技場、コミュニティセンター、児童館などに至るまで、各地域の文化活動を支えてきた公共施設が数多くあります。公益財団法人能美市ふるさと振興公社はそれらの施設を運営することで、能美市民の自由な活動をサポートする一方で、自らも施設などを会場にしたイベントやプログラムを開催しています。能美市や周辺の地域から参加する人々に対して、能美市の文化の素晴らしさに触れたり、健康的な生活につなげたりする機会をつくっています。
例えば、2014年度から開始した「のみ検定」は、全国の都道府県や市町村で行われているご当地検定の一つとして、能美市に関する問題にこたえてもらう検定試験です。コロナ禍や能登半島地震などの影響で中止となった年もありますが、地元の知識を身につけたい能美市民のほか、試験に挑戦したい市外からの受検者を募って、年に1回のペースで開催しています。若い世代にもふるさとに関心を持ってもらうために、市内の3中学校と寺井高校の生徒には、授業で使うノートパソコンから参加してもらうデジタル受検を取り入れました。さらに地図を見ながらチェックポイントをまわる競技・ロゲイニングと組み合わせて、のみ検定で出題されそうな場所をめぐって、その場所の写真を撮影して競うイベント「ノミロゲ」なども開催しています。また問題案作成に過去の上級合格者や寺井高校の生徒がたずさわり、広報PR役を同校生徒が担うなど、SDGsの市民社会のパートナーシップを実現しています。担当の北村祐士さんは「のみ検定や関連のイベントを通じて、幅広い世代に能美市のことをより深く知ってもらうきっかけをつくっていきます」と、検定試験を能美市の魅力発信に活用していく考えであることを教えてくれました。
SDGsパートナーとして、伝統工芸の九谷焼とSDGsを組み合わせた体験も始めています。「SDGs×伝統工芸 九谷陶片『ハッピース』」と名付けた体験では、九谷陶芸村の各店舗で割れたり欠けたりして販売できなくなった商品を陶片に加工し、参加者の手でアクセサリーや小物としてリメイクします。以前は捨てるしかなかった九谷焼が新たな形で生まれ変わっています。色絵や赤絵、金彩など、さまざまな色や絵柄の九谷陶片を使った世界で一つのアクセサリーづくりは、KAM能美市九谷焼美術館の|体験館|(当日受付可)や|浅蔵五十吉記念館|(要予約)で体験できるほか、各地で開催する能美市PRイベントでも出張体験コーナ―を設けています。KAM能美市九谷焼美術館学芸員の宮山千咲さんは「ハッピース」の反響について、「SDGsの考え方を取り入れた体験イベントを開くことで、九谷焼にあまり関心のなかった方からも反応をいただくようになりました。」と語り、九谷焼に触れる参加者のリピーターに手ごたえを感じていました。
*|体験館|は令和6年7月25日現在、改修工事中です。リニューアルオープン(令和6年9月28日予定)までは|五彩館|で体験ができます。
幅広い市民に体を動かす喜びを伝える
能美市民の健康づくりを支える目的では、「能美市からだバランス塾」の名前で、さまざまな運動を楽しむイベントを開催しています。
年間を通じて行っている「ウォーキングシリーズ」では、年に10回程度、市内の名所や季節の草花を観られるスポットなどをコースにしたウォーキングイベントを開いています。
各イベントに参加して歩いた距離によってポイントを獲得し、その合計が一定以上に達すると商品に交換できることもあって、中には毎回のように参加する市民も見受けられます。
「ウォーキングシリーズ」は七夕まつりや競歩大会、いしかわ動物園のナイトズーといった、ほかの施設やイベントとのコラボレーション企画としても行われていて、毎回20~30人の参加者がウォーキングを楽しんでいます。担当の西田幸子さんは「市内のさまざまな場所を歩くと、意外と知らなかった地元の見どころに気付くこともできます。体づくりと一緒に、そんな発見もできるイベントです」と魅力をアピールして、市民のさらなる参加に期待を寄せます。
2022年からは子どもたちを対象にした「からだバランス塾ジュニア講座」もスタートしました。主に健康づくりを目的としている大人向けのイベントに対して、この講座では専門性の高い講師による指導によって、将来のトップアスリート育成を目指します。現在は管理する野球場や陸上競技場を使って、野球や陸上競技(走・跳・投・競歩)を教えるプログラムを開催中です。担当の小路正人さんはこのジュニア講座について、「能美市の子どもが真剣にスポーツに取り組める場として、各競技のプロを目指したり、スポーツを一生楽しめる体力や運動能力の基礎を養ったり、子どもたちそれぞれの目標を実現できる助けになれればいいと思います」と今後の未来図を描きます。
SDGsを目標に企画の充実を目指す
そのほかにも、能美市の食や文化を体験するツアー「のみぐる」など、公益財団法人能美市ふるさと振興公社が開催するイベントは多彩です。SDGsパートナーになってからは、地域を盛り上げる企画の数々がSDGsという共通の目標で結ばれて、「ハッピース」のような新しい企画やイベントづくりにもつながっています。これからも個々のイベントで内容のパワーアップを図りながら、能美市民が心豊かに楽しく暮らせるまちづくりに貢献していきます。
《お話をうかがった方》
北村祐士さん(公益財団法人能美市ふるさと振興公社 物見山運動公園 施設長)
宮山千咲さん(公益財団法人能美市ふるさと振興公社 KAM能美市九谷焼美術館 学芸員)
西田幸子さん(公益財団法人能美市ふるさと振興公社 健康づくり推進室 室長)
小路正人さん(公益財団法人能美市ふるさと振興公社 事務局総務課 主任)
関連するSDGsゴール
企業・団体情報
名 称 | 公益財団法人能美市ふるさと振興公社 |
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活動紹介 | 広く市民の利用できる生活向上のための施設の設置及び管理を、適切かつ効率的に行なうことにより、健康増進と文化教養の向上を積極的に図るとともに、生きがいとゆとりのある心豊かな地域社会の実現を目的として事業を運営しています。 |
住 所 | 〒923-1245 能美市辰口町ヌ10番地 |
URL | http://www.nomi-furusato-kousha.jp/ |