地域活動

金属リサイクルを推進して、地域に頼られる存在に

株式会社安田商店

1950年に創業し、2005年から浜町に工場を構える安田商店は、産業廃棄物である金属くずの収集・運搬事業を通じて、金属資源のリサイクルに関わってきました。地域と「共に生きる」ことをテーマに掲げ、環境を大切にする企業を目指す中で、SDGsの視点を取り入れて、地元の人々との関わりも深めながら、より良い地域社会づくりに貢献することに力を注いでいます。

金属の再資源化で環境保全に貢献

安田商店は能美市で半世紀以上にわたって金属回収の事業に携わっています。現在は金属加工工場などから産業廃棄物として出る金属くずを回収するほか、自社で解体工事を請け負った建物の鉄筋や家庭の金属ごみなども引き取っています。回収や持ち込みで集まった金属は工場でプレスや切断して、再資源化のための中間処理を行っています。

安田商店で営業を担当する平木雛子さんは、「金属は元の素材からのリサイクル率が高く、鉄の場合はほぼ100%を再利用できるんです。金属を溶かすときには電気炉が使われるので、二酸化炭素の排出量も大幅に抑えられて、カーボンニュートラルにつながります」と金属がリサイクルに適した素材であることを説明します。安田商店ではそうした金属リサイクルの取り組みを通じて、環境を持続させる活動に努めながら、地域になくてはならない存在となることを目標にしています。

例えば、2005年に現在の工場を建設した際には、地域の人々と「共に生きる」施設にすることをテーマに、コンクリートの塀を設置して騒音が漏れることを防ぎ、地面を分厚く舗装して油などが地下へ染み込まないようにし、油水分離層や側溝を設けて汚れた水が外に出ないようにするなど、周辺の環境に負担をかけない設計を取り入れました。また、地域の企業から金属廃棄物の回収を引き受けるにあたっては、金属の分別や運搬方法などのアドバイス、作業に必要なスタッフや設備の貸し出しといったコンサルティングを行って、廃棄物を安全で効率的に処分する手助けもしています。

のみSDGsパートナーズとして、社内の業務環境の向上にも目を向けています。紙の書類を電子化するペーパーレス化を進め、従業員の年間の休日数を増やして働きやすくするなど、新しい職場づくりに取り組んでいて、平木さんも「こうした取り組みを行う上で、SDGsパートナーズに参加したことが、私たちの気持ちを後押ししていただいた面もあったと思います」と振り返ります。安田商店はSDGsをきっかけにして、社会に貢献する活動の幅をさらに広げていると言えそうです。

地域と「共に生きる」事業と活動を目指す

地域と「共に生きる」企業を目指す方針から、近年は地域の人々と関わる機会も増えています。廃棄物に関する困りごとの相談を受けたり、冬の除雪に協力したりしているほか、能美市が主催する「能美環境フェスタ」にブースを出展して、展示やゲームなどを通じて金属リサイクルの大切さを発信しました。大人から子どもまで、能美市民のリサイクル意識を高めながら、リサイクルに携わる企業やリサイクル産業全体のイメージアップも図っています。

今後は新しい設備の導入などによって、業務のさらなる効率化を進めながら、従業員がもっと働きやすく、やりがいを持って仕事に向き合える企業となるように努めます。地域の環境イベント参加についても、平木さんは「地元の皆さんに楽しんでいただく意味でも、今後もできれば参加を続けていきたいですね」と前向きに語ってくれました。能美市民にとって身近で頼りになるリサイクル企業を目指して、安田商店がこれからも取り組んでいく活動の数々に期待しましょう。
《お話をうかがった方》
平木雛子さん(株式会社安田商店)

関連するSDGsゴール

企業・団体情報

名 称 株式会社安田商店
活動紹介 株式会社安田商店は、金属リサイクルを通じて資源循環を促進し、CO2排出削減に貢献しています。「のみSDGsパートナーズ」として、地域と「共に生きること」をテーマに掲げ、地域社会の持続可能な発展に積極的に貢献しています。
住 所 〒929-0124 能美市浜町タ157-21
URL https://yasuta.jp/

この記事をシェアする