お知らせ

2025年7月13日(日)、根上総合文化会館を会場に、能美市の誕生20周年を記念したイベント「のみ環境フェスタ2025」が開かれました。会場にはSDGsやカーボンニュートラルについて学べる展示や体験コーナー、ステージイベントなどが用意され、来場した皆さんがさまざまな催しを楽しみながら、地域や地球の環境を守るために自分たちができることについて、一人ひとりが考えたり感じたりした1日となりました。
目標達成期限を控え、「自分ごと」のSDGs活動を発信
これまで年1回のイベントとして、能美市民環境ネットワークが主催し、市や地域の団体・企業が協力して、来場者に楽しみながら環境問題について考えてもらう「子どもと未来の能美環境フェスタ」を開催してきました。
2025年は能美市の発足からちょうど20年を迎えたことに加え、SDGsと能美市地球温暖化対策実行計画で定めた温室効果ガス50%削減の目標達成期限である2030年まであと5年に迫った節目の年でもあります。そこで今年のイベントは、市民がSDGsやカーボンニュートラル、環境に関する問題をより身近な「自分ごと」としてとらえ、普段の生活の中で意識して行動を変えるきっかけとできるように、従来よりも規模を拡大した「のみ環境フェスタ2025」として行いました。
イベントにはのみSDGsパートナーズの団体・企業をはじめ、市内外から初めての出展者も数多く参加しました。開催当日はそれぞれの出展者が合計で20を超えるブースを設けて、SDGsや環境に関わる活動の紹介のほか、活動にちなんだ飲食物の販売や工作などの体験コーナーといった内容で、来場者が五感を通じて学べる展示に力を入れました。
午前10時のイベント開始とともに、会場には親子連れなどが次々と入場しました。スタンプラリーの用紙を手に各ブースを順番にまわったり、体験コーナーで工作に熱中したり、購入した飲食物を食べながらステージイベントに目を向けたりと、それぞれの楽しみ方でイベントを満喫していました。


ペットボトルキャップで世界の子どもたちを支援
今年のフェスタを共同で主催した能美市と能美市民環境ネットワークも、ブースやステージでさまざまな展示や催しを行いました。
まずステージで開催されたのは、毎年、能美市民環境ネットワークが市内の小中学生から募集している「環境標語」の表彰式です。今年度も能美市の自然環境や家庭でのエコ活動をテーマにした作品の中から、優秀作品と入選作品に選ばれた児童や生徒たちが表彰され、一人ずつ笑顔で賞状を受け取りました。表彰式のあとには、会場の外で優秀作の標語を車体にラッピングしたゴミ収集車がお披露目され、受賞者たちはこれから標語とともに市内を走りまわることになる収集車を興味深そうに眺めていました。

さらに、世界が抱える環境やエネルギーの問題について、おもしろおかしく分かりやすくお話しするステージイベントも行われました。井出敏朗市長からも「能美市が温室効果ガス50%削減の目標を達成するためには、私たち全員で環境を大切にする必要があります。市民の皆さんにはぜひ日頃からのご協力をお願いします」と呼びかけがありました。
また、会場にはアートを通してSDGsを考える「Art Project for SDGs」ブースも設けられました。今年度の作品はペットボトルのキャップを素材とした「エコキャップアート」です。使用するキャップは市民から集めた、およそ17万2000個ものキャップのうちの5000個で、来場者にパネルにはめ込んでもらい、イベント内での作品の完成を目指しました。
来場者たちがパネルに記された目印に従って、次々とキャップはめ込んでいくと、パネルは次第に色鮮やかな絵柄で埋まっていき、最終的には能美の海岸の様子を描いた一枚の絵が現れました。市民の皆さんの協力で完成したアート作品は、一定期間展示したあと、残りのキャップとともに回収業者に持ち込み、その売却益は世界の子どもたちのワクチン支援にあてられる予定です。ゴミを資源として活用したアート作品を、さらに世界の子どもたちを救うことに役立てる取り組みを通じて、身近な活動がSDGsへの貢献につながることを、皆さんに実感していただければ幸いです。

暮らしに近いSDGsを発信したブース展示
会場内の各ブースは、「自然環境」「生活環境」「循環型・低炭素社会」「教育・連携」の4つの活動テーマに分かれて、それぞれの企業・団体が工夫を凝らした展示や催しで来場者を楽しませていました。
「自然環境」のブースでは、「海山川の自然の恵みを守り育むまち」を目標にした活動を紹介。環境に優しい農法や地元産の野菜を販売したり、それらの食材を使ったちらし寿司やスパイスカレー、アイスコーヒーといったメニューを提供しました。
「生活環境」のブースには、「安全で快適に暮らせるまち」づくりに取り組む団体が出展。能美市がSDGsの達成に向けた行政の取り組み紹介や来場者の健康チェックなどを行ったほか、子ども食堂で提供している食事の販売、牛乳パックのランタンやペットボトルキャップの笛など、身近な材料を用いた工作コーナーがにぎわっていました。
「循環型・低炭素社会」のブースには、地元の企業を中心に「環境負荷を抑え、資源が循環するまち」の実現に関わる展示が集まりました。遊びながら環境を守るための行動について学べる環境すごろく、手回し発電機でおもちゃを動かす発電体験、森林資源を使った木工工作などを通じて、資源やエネルギーの大切さを体感することができました。さらにステージイベントとして、自転車による人力発電の発電量を競う「自転車発電ラリー」も開催されました。小学生から大人まで体力に自信のある来場者たちがエントリーし、勢いよく自転車をこぎ発電する姿に、客席から温かい声援が送られていました。
「教育・連携」のブースでは、「市民力、地域力を育むまち」を目指して活動する団体たちが、社会や世界とつながる企画を用意しました。食品ロスの解消や地域の家庭支援を目的とするフードドライブの受付、海外文化を知る体験としてアフリカ布の端切れを使った巾着づくりやブラジル料理の販売などが行われ、能美市から世界全体の課題解決を考える場にもなっていました。


能美市民全体で取り組むSDGsのきっかけに
これらのイベントやブースを通じて、SDGsの身近さと大切さを発信した「のみ環境フェスタ2025」は、未来の能美市を支える子どもたちをはじめとする数多くの来場者とともに、盛況のうちに幕を下ろしました。
この当日から、能美市では「エコ・アクション・ポイント」の内容リニューアルを行っています。「エコ・アクション・ポイント」とは、環境省が推進する環境に良い行動をすると貯めることのできる全国共通のポイントです。今回はそのポイントの対象となる「エコアクション」の行動内容を拡大して、買い物や暮らしの省エネなど、日常でできるアクションを増やしました。
アプリの詳細については、こちらから(市ホームページへ遷移します)
https://www.city.nomi.ishikawa.jp/www/contents/1001000000172/index.html
ポイントは専用のスマホアプリで管理して、貯まったら能美市指定ごみ袋などと交換することができます。会場にもアプリの登録サポートコーナーが設けられ、立ち寄った来場者が登録を済ませていました。能美市ではこれからも市民の皆さんに、日常生活の中で楽しみながら環境を守り、SDGs達成につながる行動をしていただけるように、さまざまなサポートを続けていきます。
ブース出展者の声から ※[ ]は出展団体名
■自然環境
「石川県内の生産者が安全にこだわって育てた旬の野菜を販売しました。有機栽培は二酸化炭素排出量の削減にも貢献できます。野菜選びの参考にしてほしいですね」[香土 カグツチ]
「能美市のお米で作ったちらし寿司と、生ゴミを発酵させて作った土で育てた野菜を販売しました。生ゴミの資源活用について皆さんに考えていただけるとうれしいです」[護美ワーキンググループ]
■生活環境
「子ども食堂の存在をここで初めて知った方もいらっしゃいました。地域の皆さんに積極的に利用していただいて、社会の課題について考える機会にもしていただきたいです」[三道山子ども食堂]
「体験コーナーでつくってもらったスライムの材料は、紙おむつなどに使われる高分子吸収剤で、砂漠の緑地化にも活用が期待されています。こうした体験イベントをきっかけに、環境問題を真剣に考える人が増えることを願っています」[能美市民環境ネットワーク]
■循環型・低炭素社会
「以前から能美市の小中学校で、半導体が省エネに果たす役割や森林資源の大切さを伝える体験授業を行ってきました。今日の工作体験でも、子どもたちや付き添いの親御さんに、SDGsを学んでもらえる機会をご提供できたと思います」[加賀東芝エレクトロニクス(株)]
「環境すごろくや手回し発電の体験を楽しむ子どもたちの様子がほほえましかったですね。手回ししたときの手ごたえで、発電にエネルギーが必要なことを体感できたのではないでしょうか。子どもが省エネに取り組むきっかけになれば幸いです」[北陸電力(株)小松支店]
■教育・連携
「ブラジル料理を食べた方が初めての味に驚く姿が見られましたし、アフリカ布の模様を『かわいいね』と喜んでくださる方もいました。外国の文化に親しんでいただきながら、環境や資源を守るライフスタイルも発信していきたいです」[能美市国際交流協会]
「今日はフードドライブの食料品の受付と一緒に、ほかの場所やイベントでの今後の開催予定もお知らせしました。より多くの能美市民がフードドライブの存在を知ることで、家庭のフードロス対策の一つとしても活用してもらいたいものです」[能美市社会福祉協議会]
来場者の声から
「今日はいろいろなところで工作をして、スライムや木の小物を作りました。機会があったら家でも挑戦してみたいと思いました」(小学6年生・女性)
「4歳の娘が牛乳パックのランタンを楽しそうに作っていて、連れてきてよかったと思いました。フードロス対策には我が家でも取り組んでいきたいと感じました」(男性)
「木でブローチを作ってみたら、とてもかわいくできて、うれしかったです。また同じイベントがあったら来てみたいです」(小学2年生・女性)
「工作が好きです。今日はペットボトルのキャップから笛を作れたのが面白かったので、また作ってみようと思います」(小学2年生・男性)
「親子で一緒にスタンプラリーをしながら、いろいろなブースをまわっていました。娘は環境問題について初めて知ることも多くて、驚きながら説明を聞いたり、体験をしたりしていました。私自身も電気の無駄遣いなどはやめて、家族で少しでも環境に貢献したいなと思いました」(女性)