地域活動

多様な市民の交流をまちの活力に

能美市国際交流協会【NIEA】

学校で、会社で、スーパーで、まちなかで……。
日常生活の中で外国人とふれあうことは、もはや珍しいことではなくなっています。国の違いを意識した国際交流から、市民同士の地域交流へ。能美市国際交流協会は、地域の活力となる多様な交流の輪を広げています。


点のつながりから、継続的なつながりへ

能美市はものづくり企業が多いこと、また北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)が立地することから、たくさんの外国人が働き、学び、暮らしています。能美市国際交流協会は、発足は2019(令和元)年5月と若い団体ですが、それ以前の辰口町国際交流協会のころから、主にJAISTの外国人研究者や留学生の受け皿づくりを行っていました。現在は、市内に住む日本人と外国人の自然な交流のきっかけづくりと、外国人のことばのサポートに力を入れています。

最も気軽な「きっかけ」の場が、毎週水曜日に協会事務所で開く「世界のともだちサロン」です。おしゃべりしたり、料理をしたり、季節の行事を楽しんだりと、肩ひじ張らないふれあいの場という雰囲気。月に一度の「国際交流サロン」は、各国の文化や遊びを体験できる内容で、より国際色豊かです。毎年秋、世界の食やパフォーマンスを集めて盛大に開催する「国際交流ひろば」を楽しみにしている市民も少なくありません。こうした場で生まれる人と人のつながりをきっかけに、地域での継続的な関係性や連携を育んでほしい、というのが協会の願いです。その点で、JAISTがあることは能美市の大きな強みです。世界からやってきた研究者や留学生に、能美での良い思い出を持ち帰ってもらえば、足元の国際交流が海を越えた国際交流につながります。

また、日本人と外国人の交流でなければならない、というわけでもありません。日本人同士でも外国人同士でもいい、なぜなら皆同じ能美市民だから、という視点で活動しています。

ことばの壁、心の壁をなくす

ことばのサポートとしては、市内4会場で日本語教室を行っています。コンニチハから始める初心者もいれば、より正しい発音を目指す上級者も。地域の小学校を訪問したことを機に「子どもともっとふれあいたい」と日本語を学び始めたJAISTの留学生もいます。
ことばを教えたい日本人に対しては「日本語サポーター養成講座」の受講をすすめており、多くの市民を巻き込んで双方向の交流を進めています。また、「行政や学校の手続きをしたい」「町会のゴミ出しのルールを説明したい」といった場面でことばの壁がある際は、ボランティア通訳者を派遣しています。

JAISTでの日本語教室の様子

また、心の壁をなくすことにも取り組んでいます。日本人は、特に子どもの頃に得た偏った情報により外国人へのステレオタイプが形成されがちなので、こうした捉え方は偏見や差別につながることもあります。協会では国際理解に関する出前講座を学校や町会で実施しています。知ることで偏見や差別の芽を摘むことができますし、「自分と違う人」と接する体験は、子どもたちにとって将来必ず役立つものです。そうした面で、多様な文化を持つ人々の存在は、SDGsに取り組む能美市にとっての宝物だと言えるでしょう。

《お話をうかがった方》 喜多 泉さん(能美市国際交流協会 会長) 清水 和貴子さん(能美市国際交流協会 事務職員/能美市移住アンバサダー)

関連するSDGsゴール

企業・団体情報

名 称 能美市国際交流協会【NIEA】
活動紹介 外国人住民の日常生活における困り事や相談、市民と外国人住民の相互理解に随時対応しています。充実した多言語通訳、翻訳、派遣事業が可能です。日本語教室を市内各地区4会場で開講し、誰でも気軽に参加できる交流イベントやサロンを多数開催しています。
住 所 能美市寺井町ヨ47番地(寺井地区公民館1階)
電 話 0761-57-3751
URL https://sites.google.com/view/niea/

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