フードドライブで届ける「思いやりの心」
社会福祉法人能美市社会福祉協議会
家庭で食べきれない未使用の食品を集め、必要とする人に届ける「フードドライブ」。能美市で開催されているフードドライブは、食品ロスの削減に役立っているだけでなく、地域のつながりを生む、あたたかい活動としても注目を集めています。
「もったいない」を「ありがとう」へと変える
能美市社会福祉協議会が主催するフードドライブが初めて開催されたのは2020(令和2)年6月。きっかけとなったのは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による、生活の不安や困りごとの相談件数の急増でした。
その影響は子どもたちにもおよび、休校によって日中家庭で過ごすことを余儀なくされた子どもたちへのサポートや市内の子ども食堂への支援など、急を要する問題に社会福祉協議会では短期間で準備を進め、能美市ふれあいプラザで開催された第1回のフードドライブには多くの食品が寄せられました。
以降も年に数回のフードドライブを定期的に開催しており、会場では「戦時中に空腹で辛かった記憶があるので、役に立ちたい」と多くの食品を寄贈してくれる高齢者や、感謝の言葉を述べて食品を受け取る人たちの姿が見られ、あたたかい時間が流れています。さらに、取り組みを知った寺井高校の生徒がボランティアとして参加してくれるようにもなり、地域社会におけるボランティア活動の意義や役割を学ぶよい機会にもなっています。
やさしい気持ちを持った人がたくさん住むまち
能美市には留学生や海外からの技能実習生が多く在住しており、彼らもまた生活に不安を抱えていたことから、能美市国際交流協会が実施する「もってけまあけっと」やひとり親家庭へのフードパントリーに食品を提供するなど、これまで多くの団体と活動をともにしてきました。第1回目のフードドライブ実施後に、各種団体等と「のみフードドライブ連絡会」が立ち上がり、更に、ネットワークが広がり、2021年(令和3年)には、「くらし応援委員会」と改称され、市民主体の助け合い活動として、フードドドライブの取り組みが行われています。
食品を受け取った人たちのなかには、「もらうばかりではなく、自分たちも何かしたい」と集まった品物の仕分け作業などに参加してくれる人も現れるようになりました。活動に携わってきた社会福祉協議会は、「フードドライブは住民の方々の思いやりの気持ちがあってこそ成り立つ活動です。本当に困っている人はなかなか声に出せません。地域の人がいち早く気づき、支援につながる活動になれば良いと思います。また、フードドライブを通じたボランティア活動は気軽に参加できるので、孤独感から外出に不安を抱えている人にとっても社会とふれあえるきっかけになればうれしいです。私たちは皆さんの橋渡し役として、これからも住民の方々と一緒に活動できることを願っています。」と語ります。
「やさしい気持ちを持った人がたくさん住むまち」を目指す能美市は、住民一人ひとりの好意に支えられ、フードドライブ活動の継続とさらなる拡大・浸透が期待されています。
《お話をうかがった方》坂井 美千代さん(能美市社会福祉協議会) 西出 明美さん(能美市社会福祉協議会)
関連するSDGsゴール
企業・団体情報
名 称 | 社会福祉法人能美市社会福祉協議会 |
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活動紹介 | 地域のさまざまな福祉課題を、地域全体としてとらえ、皆で考え、話し合い、協力して解決を図ることを目的とし、またその活動を通して『住民参加のまちづくり』を目指しています。 |
住 所 | 〒923-1121 能美市寺井町た8番地1(能美市ふれあいプラザ2階) |
電 話 | 0761-58-6200 |
URL | http://www.nomi-shakyo.jp/ |