地域活動

高齢者の買い物を住民ドライバーがサポート

粟生リンクの和

寺井地区の粟生町で組織された粟生リンクの和は、「のみ地域力強化支援ファンド」の採択を受けて、町内の高齢者を商業施設等まで送迎する買い物支援の活動を行っています。町の有志たちがドライバーとして協力し、お年寄りにも住みよい地域の実現に一役買っています。


買い物環境の悪化に有志が立ち上がる

粟生リンクの和は週1回、粟生町公民館を集合場所として、交通手段を持たない高齢者を能美市内の商業施設まで自動車で送迎しています。買い物を終えて荷物が増えた帰りには各利用者の自宅まで送っていくほか、天候などの状況によっては、行きの際にも各自宅をまわって迎えに行くことがあり、手厚いサービスが喜ばれています。

粟生町での買い物支援が始まったのは2019(令和元)年のことでした。平成の初めごろ、粟生町には食料などの小売店が20店舗以上ありましたが、人口の減少や大型店舗の進出などによって、その後の約30年のうちに次々と閉店していき、2018年にはすべての食料品店がなくなってしまいました。

高齢者が町内で買い物ができない事態に対して、町内会や地域福祉協議会に参加していた粟生町の住民有志が立ち上がりました。市社会福祉協議会に相談したところ、市商工女性まちづくり研究会が移動販売に使用している車両「つなぐ号」を無償で利用できることになり、買い物支援の送迎サービスを開始しました。

無理なく長く続いていく活動を目指して

2020(令和2)年からは粟生リンクの和として「のみ地域力強化支援ファンド」に採択され、ファンドの助成金でガソリン代や送迎ドライバーへの報酬などの費用をまかなっています。ドライバーは粟生町住民の有志4人が週ごとに交代で担当していて、これは自らの時間をやりくりしながら地域を支援するメンバーたちの負担を軽くすることが目的です。代表の重田勝年さんも「活動を長く続けていくためには、できる人ができることをできるときに取り組める仕組みが必要です」と無理なく継続できる体制づくりを見据えます。

買い物支援の送迎サービスに活用されている「つなぐ号」

現在は粟生町住民だけを対象としている買い物支援ですが、いずれは同じ粟生小学校下のほかの町内会とも協力して、利用できるエリアの拡大やドライバーの増員なども視野に入れています。また、買い物のほかに、介護予防の「のみ活倶楽部」の会場への移送支援も始めており、そのほかの施設や地域行事についてもサービスの提供を検討中です。移送支援による住みよいまちづくりに向けて、活動の充実を図っていきます。

《お話をうかがった方》 重田 勝年さん(粟生リンクの和 代表)

関連するSDGsゴール

企業・団体情報

名 称 粟生リンクの和
活動紹介 2019年に活動を開始、運転免許証返納者など買い物困難者への買い物支援をはじめ、利用者同士お互いに相手を思いやり、助け合いをつなぐリンクの和を目指しています。
住 所 能美市粟生町ロ33-1(公民館)
電 話 0761-57-1307

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