地域活動

地域のオアシスとして多くの人に親しまれる存在

オアシスつるしん

閑静な住宅街にたたずむ「オアシスつるしん」の建物。この施設は緑が丘町会が地域のコミュニケーションを育む「たまり場」となることを目的にオープンしたもので、子どもから大人まで、幅広い年齢の住民に利用されています。


地域全体で子どもたちや高齢者を支えたい

能美市のほぼ中央に位置する緑が丘。1971(昭和46)年に造成された住宅街の一角に「オアシスつるしん」はあります。地域の人々の憩いの場、交流の場、子どもたちの成長を育む場である施設が誕生したのは2020(令和2)年のこと。町内で「緑が丘地区にも子ども食堂をつくりたい」という声が上がったのを発端に、拠点づくりの構想が持ち上がりました。

元々町会の活動が盛んなこともあり、緑が丘の住民で構成される緑が丘寺子屋準備委員会を発足し具体的な準備をスタート。タイミング良く、鶴来信用金庫(当時)の空き店舗を譲渡してもらうことが決まり、資金面では緑が丘町会所有の遊休地を売却したうえで、能美市の地域力強化支援ファンドによる助成などを受けました。「備品の一部は住民から寄付いただき、改装については、建設業やリフォーム関連の企業に勤めた経験を持つ住民が快く協力してくれました」と創設から携わってきたメンバーは当時を振り返ります。

オープン後はボランティアスタッフが運営にあたり、「誰もが気軽に訪れる場所にしたい」という目標を実現するため、多岐にわたる活動を展開中です。

状況が変化しても果敢に挑戦

オアシスつるしんでは、毎週水曜日に「ごはん処あい愛」を開催し、ボランティアメンバーがシフト制で調理を担当。子育て世代の家事や育児を少しでも手助けしたり、一人住まいのお年寄りの孤食を防ぎたいと、手づくりのあたたかい食事を提供しています。食材については、町内外から広く米や野菜などの提供を受けるなど、地域全体で取り組みを支えています。
子どもたちへの支援は食事の提供だけにとどまらず、冬休みや春休みに学習会を開くなど、健やかな成長と安全を見守る役割も果たしています。

カウンターでカフェタイム。様々な世代の交流が生まれています。

カウンターを利用したモーニングカフェでは安価で飲み物と朝食、ランチを提供しており、コーヒーを飲みながら世間話に花を咲かせる常連客の姿が見られます。緑が丘に在住する高齢者に対しては、頭や指先を使うことで老化を防ぐマージャン教室を開いたり、昔懐かしい映画を上映するムービーサロンを開催したりと、気軽に足を運べるきっかけづくりに努めています。

ほかにも広々とした空間を活かし、趣味の絵や写真を展示するギャラリーや図書館の司書に住民から寄贈を受けた中から良書を選定してもらった書籍コーナーも充実しており、訪れる人は思い思いの時間を過ごすことができます。

また、最近では近くの土地で住民が世話をした野菜や果物を、子どもたちと一緒に収穫してオアシスつるしんで調理して楽しむイベントを開催するなど、世代間交流もますます盛んになってきました。畑で収穫した食材は子ども食堂でも利用されており、これからもSDGsの目標に対して多方面から積極的に取り組んでいく予定です。

《お話をうかがった方》小柳 幸策さん(緑が丘公民館 館長)

関連するSDGsゴール

企業・団体情報

名 称 オアシスつるしん
活動紹介 オアシスつるしん(旧鶴来信用金庫 緑が丘支店跡)では、「子ども食堂」や「たまり場カフェ」で子どもからお年寄りまで、楽しく語らいながら食事ができるコミュニケーション醸成の場を提供し、明るく元気で安全な地域づくりを目指しています。
電 話 0761-51-0004(緑が丘会館)

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