地域活動

高齢者と地域の暮らしを持続的に支える

認定特定非営利活動法人えんがわ

「認定特定非営利活動法人えんがわ」は、事務所を置く泉台町とその周辺を中心に、地域の高齢者などの暮らしを支える活動を行っている団体です。商業施設への送迎やふれあい市の開催といった買い物支援のほか、困りごとを相談できる窓口を設けたり、地元の里山整備を引き受けたりと、さまざまな分野での取り組みによって、誰もが安心安全に暮らせる地域づくりを目指しています。

買い物支援で高齢者とつながる

2012年に泉台町で発足した「えんがわ」は、泉台町や周辺の地区でも住民の高齢化が進む中で、日々の生活に不便や不自由を抱える高齢者などをサポートしています。代表理事でかつては泉台町会の会長も務めた中田八郎さんは、「当初は町会として高齢者を支援するつもりでしたが、支援を何年も続けるためには、そうした活動を専門で担っていく組織が必要だと感じました。そこで有志を募ってNPO法人(特定非営利活動法人)をつくることにしたんです」と発足の理由を語ります。

現在取り組んでいる活動の一つに、自動車による買い物送迎があります。「えんがわ」のメンバーが運転手となって、交通手段を持たない高齢者を商業施設まで送り迎えし、時には買い物自体の手助けもしています。送迎車は泉台町から週1回、隣の湯谷町から2週に1回のペースで運行し、2024年4月からは少し離れた寺井町でもサービスを始めました。

さらに泉台町のコミュニティーセンターで開かれる高齢者による談話室の集まりにも送迎を行っています。事務局長の金澤清之さんは高齢者の外出支援について、「送迎で利用者の皆さんと定期的に顔を合わせることは、生活の見守りにもつながっています。近所でお会いしたときも顔見知りなので声をかけやすいですね」と利用者の暮らしを幅広く支えていることを教えてくれました。

地域の買い物支援としては、毎週土曜日の午前中に「ふれあい市えんがわ」も開いています。町内にある元スーパーマーケットの空き倉庫を売り場にして、食料品などを安く販売するほか、地元の農家が栽培したお米や野菜など、一般のお店では購入できない品物も揃えて、高齢者以外にも地域の人々が買い物に訪れます。コロナ禍以前には買い物客同士が楽しくおしゃべりをする姿もよく見受けられました。そんな交流の場としてのにぎわいも戻ることを願いながら、運営を続けています。

SDGs仲間と力を合わせた活動も

「えんがわ」は、そのほかにもさまざまな活動に携わっています。月1回、福祉の専門家を相談役に、医療や福祉に関する困りごとを受け付ける相談会を開いたり、市からの委託を受けて、泉台町の南に広がる「冒険の森」や子どもたちが集まる湯野公園の草木の手入れを引き受けたりしています。「冒険の森」では年に3回、下草刈りや落ち葉の清掃、余分な枝の伐採などを行って、地域の住民も安心して利用できるように、里山の環境整備に取り組んでいます。

「冒険の森」での環境整備の様子

活動は地元だけにとどまらず、2024年春には三道山こども食堂のメンバーと一緒に、能登半島地震の被害が残る珠洲市へ食事の炊き出しにも出かけました。理事の中川美子さんは「同じのみSDGsパートナーズなど能美市のほかの団体とも力を合わせて、自分たちだけではできない活動にもチャレンジしていきたいですね」と地域に尽くす仲間との協力の輪に期待を寄せていました。今後はコロナ禍で中断していた地域イベントの再開なども企画しています。地域を支え、地域の仲間に支えられながら、これからも息の長い活動を続けていきます。

《お話をうかがった方》
中田八郎さん(認定特定非営利活動法人えんがわ代表理事)
金澤清之さん(認定特定非営利活動法人えんがわ理事・事務局長)
中川美子さん(認定特定非営利活動法人えんがわ理事)

関連するSDGsゴール

企業・団体情報

名 称 認定特定非営利活動法人えんがわ
活動紹介 能美市及び能美市周辺の生活支援サービス希望者を援助し、地域のニーズに合わせた継続的な助け合い活動により、住民の安心・安全を守り、豊かな生活空間を創造することを目的としています。
住 所 〒923-1111 石川県能美市泉台町中218

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