手取川の恵みを活かし、自然の資源を再利用する
石川インペラ工業株式会社
1966年に創業し、手取川そばの灯台笹町に会社を置く石川インペラ工業は、手取川扇状地に分布する砂利や砂を採取して、主に土木工事などに用いる材料として販売しています。能美市ならではの自然の恵みを活用しながら、近年は工事現場で発生した土砂のリサイクルなどにも取り組み、省エネルギー化や社員の健康づくりにも気を配って、地域への幅広い貢献を目指しています。
環境に配慮しながら工事現場を支える
能美市の一帯は、手取川の下流に扇のような形で平野が広がる「手取川扇状地」の一部にあたり、その地中には手取川の流れが上流の白山から運んできた小石や砂が多く含まれています。石川インペラ工業はそんな白山と手取川からの恵みを活かす事業に取り組んでいる企業です。扇状地から採取した良質な砂利や砂を、コンクリートやアスファルトを固めるために混ぜる「骨材」や、建物の基礎を安定させるために地面に敷き詰められる「砕石」などとして販売し、大型ダンプカーによる現場への運搬と配送も行っています。
地域の自然資源に関わってきた企業として、環境を大切にすることへの関心も持ち続けてきました。環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001を取得して、組織全体で環境に配慮した活動を続けています。例えば、ダンプカーによる配送では、運転手たちが急発進や急ブレーキを控えて、ていねいに運転することで、燃料消費やCO2排出の量を抑えるエコドライブを心掛けています。
事業においても、2022年から建設発生土をリサイクルした「改良土」の製造と販売をスタートしました。建設発生土とは、建築工事や土木工事の際に地面を掘ったり山を崩したりして出た土砂の中で、使われずに余ってしまったもののことです。石川インペラ工業では県内のさまざまな工事現場から建設発生土を回収し、特殊な材料を混ぜることで、穴の埋め戻しや地面を固める目的などに使える改良土として再利用を図っています。
また、以前は産業廃棄物として捨てられるだけだったコンクリートやアスファルト、瓦などのかけらにも注目し、それらを細かく砕いた「再生砕石」も販売しています。土井原弘社長はこうしたリサイクルの取り組みについて、「最近は地震や洪水などの自然災害が増えている影響で、建設発生土の出る量も多くなっています。改良土や再生砕石がもっと普及すれば、自然資源の節約につながりますから、さまざまな用途に使えることをアピールして、お客様により気軽に買っていただけるように努めていきます」とこれからの目標を語ってくれました。
社員全員で目指す幅広い地域貢献
SDGsパートナーズに登録してからは、環境保全や地域貢献に向けた社内の意識もさらに高まり、社員たちの意見も積極的に取り入れながら、さまざまな形でSDGsに取り組んでいます。
例えば、スマートフォンアプリを活用した健康サポートプログラムでは、その日の歩数や消費カロリーなどが分かるアプリを使って、社員一人一人が日々の健康管理に気を配っています。配送のダンプカーは地域の道路を行き来する機会が多いことから、石川県警察の「ながら見守り」運動に協力して、通学路における子どもたちの安全を見守る役割も担っています。
建設・土木業界に関わる企業として、能登半島地震で被災した土地の修復工事にも協力して、災害に強い地域づくりも支えようとしています。土居原社長が「地域にもっと幅広く貢献できる会社でありたい」と願うように、今後も社内全体でアイデアを出し合いながら、SDGsを実現するために企業として取り組むことのできる活動を追求していきます。
《お話をうかがった方》
土井原弘さん(石川インペラ工業株式会社代表取締役)
関連するSDGsゴール
企業・団体情報
名 称 | 石川インペラ工業株式会社 |
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活動紹介 | 加賀平野の手取扇状地は、霊峰白山の恵みで重要な建設資材となる上質の砂利や砂が賦存しています。 「手取の砂利」は手取川によって運ばれた『小さな白山』です。 石川インペラ工業は、一般家庭用から建設土木工事用、生コンやアスファルトの骨材用までの、砂利・砕石・砂の販売並びに配達業務を行っております。また、建設工事やビルの解体などから発生するコンクリートがらなどを受入れ、再生処理しリサイクル製品の再生砕石を製造販売し、未来へ繋がる循環型社会を目指しています。 |
住 所 | 〒920-2132 能美市灯台笹町431番地 |
URL | https://r.goope.jp/inpera |