地域活動

SDGsで町民の力を一つにする

泉台町会

同じ地域内に九谷焼美術館や九谷陶芸村があり、高台に広がる住宅地に新旧の住民が暮らす泉台町。泉台町会はそんな地域のコミュニティを支え、未来へつないでいくための活動に努めています。町民同士の交流を図るイベントに力を入れながら、リサイクルやリユースを推進する運動にも取り組んで、町民が持続的な社会づくりに関わる窓口となっています。


町民が地域に貢献できる窓口に

泉台町には2024年2月現在で667世帯1722人が暮らしています。他地域からの移住者も多く、子どもからお年寄りまで幅広い世代の住民が生活している地域といえるでしょう。泉台町の町会では、地域の情報を共有する地域福祉委員会を2カ月に1回のペースで開くなど、同じ町に集まった住民たちを一つにまとめるための活動を続けてきました。

しかし2020年から巻き起こったコロナ禍は、町会の活動にも大きな影響を及ぼしました。会議やイベントなどに集まれなくなり、町民の気持ちも落ち込んで、町会に参加する意欲が低下する人も出てきたといいます。そうした問題を抱えていた中で、泉台町会は2022年8月に、のみSDGsパートナーズに申請しました。コロナ禍を抜け出し、少しずつ活動を再開しようとするタイミングでの登録を受けて、町会はSDGsに貢献する取り組みに力を入れていきました。

まずは毎年の恒例行事である夏の「泉台ふるさと祭」で、家庭で余った食品を寄付してもらうフードドライブを初めて実施しました。当日はお祭りの会場を訪れた町民から予想以上の量の食品が集まり、市の社会福祉協議会を通じて、地域のこども食堂などに提供することができました。フードドライブはその後もお祭りなどの機会に合わせて定期的に行っています。

以前から取り組んでいたエコキャップ運動は、町会の回覧板で改めて活動していることを発信したところ、回収場所である町の公民館には、お年寄りが散歩の途中に立ち寄ったり、園児が家で集めたものをお母さんと一緒に運んできたりして、町民たちがこぞってペットボトルのキャップを持ち寄るようになりました。SDGs活動によって、町会と町民の間に新たなつながりが生まれたのです。

町会長としてSDGsを推進してきた加藤綾子さんは、「町民にもSDGsに関心のある人がたくさんいることが分かりました。町会としては、泉台町の皆さんがSDGsや地域の福祉に関わっていく窓口の役割を果たしていきたいと考えています」と語ります。

無理なく続けられる活動にしたい

公民館ではエコキャップ運動のほかにも、缶のプルタブや古切手の回収も引き受けていて、こちらも市社会福祉協議会に寄附して、福祉施設の用具充実に役立てていただいています。さらに、不要になった日用品などをやり取りする「ゆずります&ゆずってください」の受付を設けて、町民によるリユースの取り組みも後押ししています。

町民がリユース品のやり取りを気軽に利用できる場となっています。

加藤さんは泉台町会のそうした取り組みについて、「町会がまとめ役となって活動することで、町民一人一人が自分のできる範囲でSDGsに取り組むことができます。身近で手軽な活動なら、みんなが無理なく長く続けられるはずです」と期待を寄せます。SDGsによる持続的な地域づくりを目指しながら、町全体の結び付きも末長く保っていくために、泉台町会は町民と社会をつなげる存在として活動していきます。

《お話をうかがった方》加藤綾子さん(2023年泉台町会長)
※記事内の役職は取材時点のものです。

関連するSDGsゴール

企業・団体情報

名 称 泉台町会
活動紹介 泉台町会は地域のコミュニティを支え、未来へつないでいくための活動に努めています。 町民同士の交流を図るイベントや、リサイクルやリユースを推進する運動にも取り組み、持続的な社会づくりに関わる窓口となっています。
住 所 〒923-1111 石川県能美市泉台町中192

この記事をシェアする