丸いも畑を子どもたちの学びの場に
中庄町丸いも娯楽会食育グループ
中庄町で加賀丸いもの栽培を楽しむメンバーでつくる「中庄町丸いも娯楽会」では、子どもたちに丸いもづくりを体験してもらう「食育グループ」の活動を続けています。丸いも農家をはじめとする地域の人々とふれあいながら、春から秋までの1 シーズンをかけて丸いもの成長に関わってもらうことで、食べ物を大切にする心を育てています。
栽培体験で能美市の宝を育てる
2013 年に設立された中庄町丸いも娯楽会には、能美市の内外から140 名を超える会員が参加しています。市の特産品である加賀丸いものファンが集まって、中庄町の畑で丸いも栽培に携わりながら、おいしい食べ方を紹介するなど、野菜としての魅力を広く伝える普及活動に取り組んできました。
加賀丸いもの存在を多くの人々に伝えて、今後も栽培が長く続くようにすることを目標にしています。
会では活動の一つとして、会員以外にも実際の丸いもづくりを体験してもらう取り組みに力を入れています。一般から親子や家族などの参加者を募集しているほか、地元の保育園から園児たちを招いての栽培体験を毎年行ってきました。2020年3 月に会の中につくられた食育グループは、そんな子ども向けの栽培体験を受け持つ会員たちがメンバーです。食べ物を通じて生きる力を学ぶ食育の考え方から、体験の内容をより充実させることを目的にしています。
食育グループによる栽培体験では、保育園児が栽培から収穫までの期間全体を通じて丸いもづくりに関わります。園児たちはまず春に畑に種いもを植え、夏になったら土の中からのびてきた緑のつるを支柱に巻き付けて、秋を迎えるとすっかり大きくなった丸いもを掘り出します。加賀丸いもができるまでにどれだけの時間と手間がかかるのかを学びながら、収穫した丸いもを家に持ち帰って食べることで、自分の手で育てた野菜のおいしさも味わっています。
娯楽会の会長と食育グループの代表を務める加賀丸いも農家の本忠儀さんは、食育グループの活動について、「私たちは根気強く優しさを込めて作物に向き合う大切さを子どもたちに教える一方で、楽しそうに農作業をする姿から元気をもらってもいるんです。子どもは能美市の未来を支える宝ですから、その健やかな成長の役に立てることに喜びを感じています」と笑顔で語ります。
丸いもづくりはSDGsとつながる
2022 年にのみSDGs パートナーズに参加してからは、栽培体験の内容にSDGsの考え方も取り入れています。2023年の栽培体験では、子どもたちに守ってほしい「SDGs宣言」として、「すききらいしません」と「のこさずにたべます」の2つの約束をしてもらうなど、SDGsにつながる、食べ物を大切にする心を育てられるように努めました。子どもが丸いもを持ち帰る袋の中に親へのメッセージを入れて、家族でSDGsについて考えてもらうきっかけもつくっています。
食育グループの会員は、栽培体験で教える内容について、「以前は難しい言葉も使っていましたが、最近はもっとシンプルな表現に変えています。ただ楽しいだけの丸いもづくりではなく、作物を育てることの尊さを知ってもらいたいですから」と子どもたちへの伝え方を工夫していることを教えてくれました。娯楽会では栽培体験による食育のほかにも、丸いもを市内のこども食堂に食材として提供して、地域の家族を支援しています。ふるさとの特産野菜の素晴らしさを子どもやその家族に伝えることで、能美市の自然や文化を守る仲間を増やす取り組みをこれからも続けていきます。
《お話をうかがった方》
本忠儀さん(中庄町丸いも娯楽会会長・食育グループ代表)
中庄町丸いも娯楽会食育グループ 会員
企業・団体情報
名 称 | 中庄町丸いも娯楽会食育グループ |
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活動紹介 | 100年以上前から生産されている、地元特産の加賀丸いもを今後100年以上生産される事を目標に活動。地元特産物を知って食べてもらうため地元保育園の園児の農業体験から食育体験まで行っています。 |
住 所 | 〒929-0104 能美市中庄町丁41 |