地域のお客とつながり、暮らしを支える店づくり
のみ商業協同組合
能美市内の小売店が加盟する「のみ商業協同組合」は、加盟店で使えるポイントカードや商品券を発行して、市民の地元での買い物を便利にしたり、高齢者の暮らしを支えたりする活動に取り組んでいます。また、2016年からは商店の店主やスタッフが講師になる「のみまちゼミ」をスタートして、お店と地域の人々の交流を深めながら、住みやすいまちづくりに貢献することを目指しています。
カードと商品券で市民にお得なサービス
のみ商業協同組合は能美市内の商店を元気にするために、店同士が力を合わせて活動する団体として2013年に誕生しました。2023年現在は83店舗が加盟しています。
活動の中心となっているのは、「のみカード」と「のみ共通商品券」の発行と運営です。「のみカード」は買い物をするとポイントが貯まるポイントカード、「のみ共通商品券」は500円と1000円の2種類がある商品券で、どちらも組合の加盟店で使うことができます。
この2つは地域の暮らしを豊かにするサービスにも活用されています。カードや商品券を使用すると「のみ地域力強化支援ファンド」に寄付金が入って、地域を支える団体の活動費となります。カードは利用者が行方不明になった場合などにポイントの履歴から行動をチェックすることもでき、高齢者の見守りなどにも役立てられています。
こうしたサービスは組合が能美市と連携協定を結んで行っています。石川正樹理事長は組合の活動について、「発足するときの話し合いで、『店を利用してくださる地域の皆さんに恩返しすることが必要じゃないか』との声が大きかったこともあって、地域への社会貢献を活動目的の一つにしています」と話します。
地元のお店が身近になる「のみまちゼミ」
2016年からは新たな試みとして、「のみまちゼミ」を開催しています。加盟店をはじめとする能美市の各お店を会場にして、その店の店主やスタッフが講師になって無料でゼミナールを行います。ゼミナールはお店の商売に関するものもあれば、講師個人の趣味や特技にまつわるものもあって、さまざまな内容で受講者を楽しませています。
「のみまちゼミ」の目的は、受講者に新しい知識を学んでもらいながら、講師となるお店の人たちの人柄も知ってもらって、それまで入ったことのないお店であっても、安心して買い物に来られるようにすることにあります。コロナ禍の影響で開催を中止したり、ゼミナールの定員を減らさなければならなくなった時期もありましたが、ゼミナールのあとの受講者の満足度は高く、お店と地域の間に新たなつながりを育てています。
ほかにも、店主がゼミナールのために商売の知識を改めて勉強し直す機会になったり、離れた地域に住む人が受講をきっかけにお客になってくれたりと、お店の営業にプラスの影響が生まれています。石川理事長も「店主とお客様が仲良くなれることが、それぞれのお店のレベルアップや仕事の広がりにもつながっていますね」と、「のみまちゼミ」の効果に手ごたえを感じているようです。
今後の「のみまちゼミ」は感染対策が緩和されることもあって、開催回数を年1回から2回に増やすなど、規模を少しずつ広げていく予定です。地元のお店が地域の人々に身近な存在であり続けることは、毎日楽しく買い物できるまちづくりにつながっていくことでしょう。
《お話をうかがった方》石川正樹さん(のみ商業協同組合理事長)
関連するSDGsゴール
企業・団体情報
名 称 | のみ商業協同組合 |
---|---|
活動紹介 | 能美市内の小売店が加盟する「のみ商業協同組合」。加盟店で使えるポイントカードや商品券を発行して、市民の地元での買い物を便利にしたり、高齢者の暮らしを支えたりする活動に取り組んでいます。また、商店の店主やスタッフが講師になる「のみまちゼミ」を開催し、お店と地域の人々の交流を深めながら、住みやすいまちづくりに貢献することを目指しています。 |
住 所 | 〒923-1121 能美市寺井町ヨ47番地 寺井地区公民館1階 |
電 話 | 0761-58-6330 |
URL | https://nomishogyo.com/ |