森づくりと出前授業で地域とつながる
加賀東芝エレクトロニクス株式会社
加賀東芝エレクトロニクス(以下、加賀東芝)は、電気自動車や家電製品などに使用されるパワー半導体を製造する企業です。地域の環境を守るため、工場近くの辰口丘陵公園の一部に「加賀東芝の森」を設けて、会社ぐるみで豊かな森づくりに取り組んでいます。また、能美市の小学校で半導体に関する出前授業も開いて、子どもたちの知識や関心を広げています。
自然を守る心を育てる「加賀東芝の森」
1984年に会社を設立し、86年から能美市岩内町で半導体の生産を始めた加賀東芝は、社会に貢献する活動の一つとして、地域の環境や自然を守る取り組みにも積極的に関わっています。中でも2013年から力を入れているのが、「加賀東芝の森」と名付けた区域の整備活動です。
加賀東芝ではそれ以前にも、石川の森づくり推進協会の主催する活動に参加して、県内のさまざまな地域の森林で、植樹や木々の手入れなどに協力してきました。2011年には里山保全に熱心に取り組む企業として、石川県から「いしかわ版里山づくりISO」の認証も受けています。しかし、加賀東芝の施設管理部で環境保全担当を務める辻洋志さんによると、「石川県の森全体が対象の活動なので、本来の地元である能美市にはなかなか関われない悩みがありました」といいます。
そこで「能美市で森づくりの活動ができるところはないだろうか」といしかわ動物園の関係者に相談したところ、辰口丘陵公園の中に森がまだ整備されていない区域があることを紹介されました。工場からの距離が2kmぐらいと近かったこともあって、2012年には石川県や能美市などと協定を結んで、その区域の森林整備活動に関わることを決めました。
2013年5月に行った最初の活動では、加賀東芝の従業員と家族のみなさんがシンボルとなる看板の設置や記念植樹などの作業に汗を流しました。それ以降も春と秋の年2回、会社の恒例行事として森に集まり、増え過ぎた木や草の刈り取り、倒れたり枯れたりした木の撤去、遊歩道の整備といった森の手入れのほか、木やどんぐりを使った工作、シイタケの栽培、自然観察会など、親子向けの体験教室も開いてきました。活動にはこれまでに1500人以上が参加していて、参加者それぞれが森林保護の大切さを学び、自然の素晴らしさを肌で感じて、能美市への愛着を持つ機会にもなっています。
能美市の仲間としてSDGsに取り組みたい
2022年には、地域の人々とのつながりを深めるために、能美市の小学校での「半導体出前授業」の取り組みも始めました。子どもたちに半導体がさまざまな形で社会に役立っていることを学んでもらい、加賀東芝という会社や半導体産業について興味を持ってもらうことが目的です。
同年11月、辰口中央小学校の5年生に対して行った授業では、まず半導体の歴史や仕組みについて学習したあと、半導体を使った電子工作を体験してもらいました。それから半導体を活用した環境問題の解決方法を全員で考え、最後に加賀東芝がどんな会社かを紹介して、授業を締めくくりました。授業を受けた児童たちからは「半導体が私たちの暮らしを良くしていることが分かりました」「将来、半導体に関わる仕事をしたい」といった感想も聞かれました。
施設管理部環境保全担当の宮﨑まどかさんは、こうした取り組みをする理由について、「当社の工場はまちから離れた場所にありますが、地域の皆さんにもっと当社を知っていただいて、能美市を共に支える仲間になっていきたいです」との思いを語ってくれました。さらに地域の環境を守るために、工場の省エネルギー化や二酸化炭素の排出を減らすカーボンニュートラルも進めて、2030年には太陽光発電などの再生可能エネルギーだけで、会社全体のエネルギーをまかなう計画です。地域の一員として、能美市のSDGs達成を目指します。
《お話をうかがった方》
辻洋志さん(加賀東芝エレクトロニクス株式会社施設管理部 環境保全担当 エキスパート)
宮﨑まどかさん(同社施設管理部 環境保全担当 主務)
表治久さん(同社総務部 総務安全担当)
広瀬舞奈さん(同社総務部 総務安全担当)
関連するSDGsゴール
企業・団体情報
名 称 | 加賀東芝エレクトロニクス株式会社 |
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活動紹介 | 電気自動車や家電製品などに使用されるパワー半導体を製造する企業です。 会社ぐるみでの豊かな森をつくる「加賀東芝の森」、能美市内の小学校で半導体に関する出前授業をおこなうなど、地球環境や地域社会との共生に取り組んでいます。 |
住 所 | 〒923-1293 石川県能美市岩内町1番地1 |
電 話 | 0761-51-5511 |
URL | https://www.toshiba-kaga.co.jp/ |