町を一つにするにぎわいをつくる
湯谷町町会
新しい世帯が増え、従来からの町民との関係づくりが課題だった湯谷町。そんな湯谷町の町会では、子どもたちが学ぶ「寺子屋」を中心に、異なる世代の町民同士が交流する場をつくることで、地域の一体感を高めようとする取り組みを続けています。町民たちが町会の行事に参加することを通じて、自分たち自身で町を盛り上げようとする意識が高まっています。
異なる世代をつなげる「寺子屋」
町内に湯野小学校がある湯谷町は、近年になって幹線道路が整備された影響で、かつての約150世帯から500世帯を超える規模にまで町の人口が増加しました。新しい町民には子どものいる若い世代の家族が多く、湯谷町町会では、新しい町民と高齢化の進んでいる従来の町民との間に付き合いがなくなり、地域が2つに分かれてしまうことを心配する声がありました。
そんな課題に対して、湯谷町町会が2022年からスタートさせたのが「湯谷寺子屋」の取り組みです。江戸時代の寺子屋では地域の知識人が子どもたちに学問を教えたように、湯谷寺子屋でも湯谷町の町民が先生役となって小学生に算数や国語などを教えています。以前の町会長で、寺子屋の運営を担う「湯谷寺子屋クラブ」の会長を務める西田啓さんは、寺子屋を始めた理由として、「従来の町民が小学生たちと触れ合いながら、さらにその親世代とも交流が持てると考えました」との目的があったことを教えてくれました。
湯谷集落センターで開かれている湯谷寺子屋では、授業のほかにも、さまざまな学習の催しを行っています。北陸先端科学技術大学院大学の見学に出かけたり、地元の和菓子屋さんの指導で和菓子づくりに挑戦したりと、小学生から大人、お年寄りまで、幅広い年代の町民が参加や運営、協力をしています。ねんりんピックのeスポーツ競技に採用された太鼓のゲームを楽しむサークルもあり、そこでは高齢者が子どもたちからアドバイスを受ける姿も見られるなど、世代を問わない集まりが生まれています。
湯谷寺子屋クラブ副会長の藤本国男さんは、今後の寺子屋の活動について、「催しを通じて、会場の湯谷集落センターを、多くの人々がにぎやかに集まる場所にしていきたいですね。そのためにも、カラオケ・芸能サークルや学習会など、もっといろんな企画を考えて、楽しみをさらに増やしていくつもりです」と力強く語ります。
町民自らが参加する地域づくりへ
寺子屋のほかにも、町会ではさまざまな立場の町民をつなげる活動を続けています。町の全世帯が参加する防災訓練や小学生の登校時の見守り運動といった取り組みはもちろん、秋に開催しているオータムフェスティバルに能美市在住のベトナム人家族を招待するなど、町会に関わる人々の輪を多様に広げています。
そのような活動は、「誰一人取り残さない」社会を目指すSDGsの原則にも沿っていると言えるでしょう。町会長の北村修一さんは、「町会の行事に参加する人が増えたことで、湯谷町民の間では『自分たち自身で町を盛り上げよう』とする意識が高まってきたように感じます。そういった姿勢はSDGsの目標達成にも自然とつながるのではないでしょうか」と、町会活動とSDGsの関わりについて語ってくれました。あらゆる町民が参加する町づくりに向けて、湯谷町町会では引き続き人々のにぎわいを生み出し続けます。
《お話をうかがった方》
西田啓さん(2023年度湯谷町町会長・湯谷寺子屋クラブ会長)
藤本国男さん(湯谷寺子屋クラブ副会長・総務)
北村修一さん(2024年度湯谷町町会長)
関連するSDGsゴール
企業・団体情報
名 称 | 湯谷町町会 |
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活動紹介 | 異なる世代の町民同士が交流する場をつくることで、地域の一体感を高めようとする取り組み「湯谷寺子屋」を2022年からスタート。 多様な催事と世代を超えた交流を通して、子育て・教育・健康・福祉の充実を図り、未来に向けて安心で楽しいコミュニティ・まちづくりを推進しています。 |
住 所 | 〒923-1104 石川県能美市湯谷町レ98 |