教育情報

能美市立粟生小学校

身近な買い物がSDGsにつながるフェアトレード

2022年12月5日、粟生小学校では「人にやさしい能美市」をテーマに学習している4年生に向けて、学外から講師を迎えて、発展途上国でつくられた製品を適正な価格で取引する「フェアトレード」について学ぶ授業を行いました。

講師の小原美由紀さんは、以前からフェアトレードの普及に関わり、現在はフェアトレード製品を扱うお店に勤めています。小原さんは教室に実際の製品の数々を持ち込んで、それらの製品が生まれた背景や発展途上国が抱えてきた問題を紹介していきました。児童たちはそれまでの学習でフェアトレードがどんな活動なのかを学んできましたが、エシカルバナナやオーガニックコットンといった製品一つ一つについて詳しい説明を受けると、さらに興味が大きくなったようでした。発展途上国の子どもや女性が厳しい環境や低い賃金で働かされてきたことにも驚きの声を上げていました。

小原さんはフェアトレードの製品を選ぶことは発展途上国の暮らしを救う気持ちを表すことにもつながると語り、「普段の買い物からでも社会を変えられることを意識して、皆さんもいろんな問題について考えてみてください」と呼びかけました。子どもたちはさまざまな品物を通じて、持続可能な社会づくりは自分たちの身近な暮らしから始まっていることを感じ取っていました。

SDGsにつながる「フェアトレード」について学ぶ授業の様子/能美市立粟生小学校4年生

授業を終えて〜児童・生徒・先生からの感想〜

○児童から
「お話を聞いて、フェアトレード製品がどうやって生まれているのか、とても詳しく分かりました。いろんな工夫をしていて、フェアトレード製品にする大変さを知りました。教えてもらった情報はフェアトレードのことを知らない人に伝えたいと思いました」
「バングラデシュの人たちが日本より安い給料しかもらえなくて、子どもも働かされていることを知りました。フェアトレードの製品には置物や服、バッグなど、いろいろなものがあると分かりました。食べ物は普段食べているものとは違う味がして、バナナと砂糖はとてもおいしかったです。また、フェアトレードのことを教えてください」

○先生・講師から
「授業前の事前学習では最初はフェアトレードのことを知っている児童は一人もいませんでした。ところが、調べ学習を進めるうちに、みんながどんどん興味を持ち始めて、自分でフェアトレード製品を買いに行く子も出てきました。小原さんの授業でも一つ一つの内容に大きく反応していて、子どもたちがいつも以上の好奇心や知識欲を発揮してくれたことがうれしいですね」(先生)

「フェアトレード自体は以前から続いている活動ですが、最近になってSDGsをきっかけに知ってくれる人が増えてきていると感じます。授業を通して、地元の子どもたちに紹介することで、親の皆さんにも伝わっていきますし、フェアトレードの輪をまだまだ広げていきたいですね」(講師)

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