教育情報

石川県立寺井高校

地球規模だけど、身近な取り組み。そのひとつが自分のまちの海岸清掃。

寺井高校から車で約15分の場所にある「根上グリーンビーチ」
夕焼けの美しさ、潮風の心地よさを求めて、遊歩道をランニングする人がいたり、海岸を散策する人がいたり。

2013年頃までは海水浴ができたけれど、この8年ほどで海岸が削られ、急に深くなる危険箇所が増えたことから、現在は遊泳禁止となっています。
そのこともあって、少し歩けば目に入る海岸のごみ。特にプラスチック製品や漁具など、人工系のゴミが目立ってきました。

「海岸の漂着ゴミが気になります!」
2020年12月、寺井高校生が能美市議会との意見交換会で訴えたのをきっかけに、2021年春、寺井高校1年生による
「第1回寺高クリーンビーチ大作戦」を実施。2021年9月29日には、第2回目が行われたのです。

寺井高校による「寺高クリーンビーチ大作戦」/根上グリーンビーチ

地域企業のサポートを受けて、社会貢献・探究活動の一環に。

意見交換会で寺井高校生から提案し、実現した、海岸清掃ボランティア。
拾った海洋ごみの処理を地域企業である『日本海開発』に依頼し、「どうして海洋ごみが出るのか、社会的にどんな影響が出るのか」と
同社からSDGsの講義を受けることで、海岸清掃の意義・意味を再認識。

――「誰か」に頼るのではなく、「自分たちの手」で、身近な海をキレイに!
参加した生徒の多くは、自分の意志で能動的に海洋ごみを拾い、この海洋ごみがもたらす影響はなんだろう、
マイクロプラスチック(※)になってしまったら、どうなるの?
と、体感的に考える時間にもなったそう。

※マイクロプラスチックとは、直径5ミリメートル以下の小さなプラスチックのことをいいます。

昔と、今、そしてこの先へ。循環する海を信じて、行動を。

昔はすぐそばにあった、砂を踏む感触、潮風、海の音。
それが新鮮に感じ、中には自然と小声で歌う生徒の姿も…。

「『海が汚い』『行くところが無い』とぼやくだけでは、何も変わらない。
 海洋ごみを拾うことで、砂浜がきれいになり、魚や虫、植物など多様な生物が育まれる場となります。生態系が保たれた海は、とても美しい色をしています。自分たちが住むこのまちの、この海がきれいになれば地域がもっと好きになるし、誇りにもなるんです」

広い海に向かって行った海岸清掃は、小さなものかもしれない。
でも、続けることで大きなものとなる。
キレイな海岸が豊かな海洋資源につながる〈循環〉の可能性を信じて、まずは一歩。

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