SDGsインタビュー

SDGs Interview

防災の輪を広げて、
住み続けられる地域をつくる

本村 康二さん防災士/能美市防災士連絡協議会 会長/国造振興会 防災委員長 能美市和光台在住

移り住んだ能美市を大切にしたい思いから、地域を災害から守る防災士の活動を通じて、安全安心な暮らしづくりを目指す本村康二さん。石川県でも大きな災害が発生する中で、市民一人一人の防災意識を高める活動に取り組み続けています。

のみ指標/「思いやる」お人柄
要素:ボランティア

活動目標:
子どもから高齢者まで誰もが「思いやり」の中で
安心して過ごせるようにしよう

町会活動から始まった地域防災への関心

出身は同じ石川県の小松市です。1998(平成10)年に当時は新興住宅地だった和光台に自宅を建てて、こちらに移住してきました。よその土地から来た私をこの地域の人たちがすんなり受け入れてくれたのがうれしくて、町会の仕事を積極的に引き受けるようになったんです。2007(平成19)年に和光台を含む国造地区の8つの町会にて組織されている国造振興会にも参加して、地域を盛り上げる活動に関わってきました。

防災士の資格を取ったのは、和光台の町会長をしていた2012(平成24)年のことです。能美市から町会へお願いがあったので、なんとなく取得した資格だったのですが、「せっかく取ったのだから、何か活動しなければ」との思いがわいて、国造振興会の中に防災士会(現・防災委員会)を立ち上げ、国造地区の防災マップの制作などを行ってきました。町会単位にとどまらない防災活動に取り組んだことで、私は次第に能美市全体を災害から守るためにどうすればいいのかを考えるようになりました。

市民全体で防災に取り組む能美市にしたい

そんなわけで、今では能美市の防災士連絡協議会の会長を任されています。市内に400人程度いる防災士の研修会や講習会を開くほか、防災イベントで災害時に役立つグッズを紹介するなど、市民の皆さんに防災の大切さを発信する活動の数々に携わっています。

防災士だけでなく、市内の各町会に向けても防災の取り組みの普及に努めています。能美市のいろんな地域の皆さんと出会えるのは楽しいですね。私が防災士の活動を始めた頃は、まだ具体的に行動していない町会も多かったのですが、近年になって日本各地で大規模な自然災害が発生するようになると、だんだん災害への危機感と防災意識が見られるようになってきました。

災害対策は石川県でも他人事ではなくなりました。2022(令和4)年8月には能美市でも降雨による水害が起こり、2024(令和6)年1月に能登半島地震、9月には同じ能登地区で水害が発生しました。私も災害ボランティアで何度か能登にうかがいましたが、被害の深刻さに言葉を失いました。こうした身近な災害の経験は、何としても教訓として生かしていかなければならないと感じます。

防災士の活動をしていて気づいたことがあります。それは防災における課題はそのまま地域社会が抱える課題と密接につながっているということです。例えば、避難の際には高齢者が逃げ遅れないように声かけが必要で、そのためには地域の高齢者世帯について知っていなければならない。災害に強いまちづくりを目指すことは、SDGsの目標と同じく、みんながずっと住み続けられる地域をつくることでもあるんです。

ですから、能美市民の皆さんにはもっともっと防災に関心を持ってほしいですね。中学生や高校生が防災士の資格を取ってもいいし、災害現場へのボランティアにも参加してほしい。実践的な知識を学び、現場を体感すれば、自分たちのまちを恐ろしい災害から守りたいと思う気持ちはより高まることでしょう。私も能美市に暮らす防災士の一人として、地域みんなで手を取り合っての防災活動が実現するように、全力でサポートしていくつもりです。

2030年の能美市のありたい姿は?

防災活動が各地域でもっと活発になって、防災訓練も大規模にできるようになっているといいですね。防災は地域の人々が互いに助け合うからこそできるものです。助け合いの気持ちが広がっていけば、能美市もさらに住みよいまちになっていくんじゃないでしょうか。

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