SDGsインタビュー

SDGs Interview

互いに理解しあうことで
より深い絆を育みたい

ユン・ティ・クイン・フンさん能美市国際交流協会 外国人コミュニティリーダー/
いしかわ外国人生活相談センター 登録ボランティア

能美市には技能実習生や北陸先端科学技術大学院大学( JAIST)で学ぶ外国人が数多く暮らしています。在住外国人へのサポートの窓口である「能美市国際交流協会」でボランティア活動に取り組むベトナム人のクイン・フンさんは、愛する能美市で外国人と地元住民をつなぐ役割に励んでいます。

のみ指標/「思いやる」お人柄
要素:多様性

活動目標:
外国の文化を理解し、在住外国人の
生活をサポートしよう

「どうしても能美市で暮らしたい」という家族の希望

私はベトナム最大の都市であるホーチミン市の出身です。ベトナムにいたころは5年間日本語学校を経営し、社会人や大学生に日本語を教えていました。日本に来たのは2016(平成28)年です。当初は東京で暮らし、翌年から能美市で生活するようになりました。移住の理由は、同じベトナム人の夫から、かつて技能実習生として働いた能美市のことが忘れられず、どうしても能美市で暮らしたいと告げられたためです。

エンジニアとして先に暮らしていた夫に会うため、初めて能美市に来たときはまず海岸の夕景の美しさに魅了されました。それからホーチミンや東京では感じることのなかった、ゆったりとした時間の流れや人々のあたたかさに触れ、私自身もすぐに「ここで暮らしたい」と思うようになりました。

現在は、能美市国際交流協会やいしかわ外国人生活相談センターを通じて、母国語による外国人からの相談窓口や、通訳、翻訳、語学教室、市場調査、アドバイザーなどの仕事をしています。私自身、日本語を学ぶことはとても難しかったし、来日当初は新しい生活にとまどうことばかりでしたから、自分自身の経験からアドバイスできることもたくさんあります。

能美市民の温かい人柄に感謝

今もそうですが、能美市に来たばかりのころ、気さくに話しかけてくれたり、日本のお菓子のおすそ分けを持って訪ねてくれたりと、本当に周りの人が温かく接し、困ったときは助けてくれました。活動の根底には、私が実感した能美市の温かさを他の人にも伝えたいという気持ちがあります。

また、能美市には新型コロナウイルスの感染拡大によって、仕事を失った人や帰国できずに不安を抱えて過ごしている外国人がたくさんいます。能美市のフードドライブなどで集まった食品を困っている人に届ける活動では、泣きながら感謝の気持ちを伝えてくれる方もいて、改めてボランティア活動の意義や使命を感じました。

今後は、能美市に新たに設けられた「外国人コミュニティリーダー」の一人として、在住外国人と行政や地元住民とのより強い橋渡し役を務めていきたいです。活動を通じて、日本の方にもベトナムの文化や風習を紹介し、互いに理解しあうことでより深い絆を育むことがこれからの目標です。

2030年の能美市のありたい姿は?

能美市は今でも充分に住みやすいまちですが、時々お店が少ないと感じることもあります。能美市の海岸に、国籍や年齢に関係なく、あらゆる人々が集い楽しめる飲食店や土産物店ができて、まちに活気を生み出してほしいですね。また、さまざまな滝がある七ツ滝など、美しい自然が観光地として広く知られるようになってほしいとも思っています。

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