お知らせ
10月24日(月)に能美市役所大会議室で、「第1回のみSDGsパートナーズ勉強会&交流会」を開催しました。
今年の5月からスタートした「のみSDGsパートナーシップ制度」。10月24日現在、86のパートナーズの登録があります。
パートナーズに登録いただいた方限定で参加できる学びと交流の場として、「パートナーズ勉強会&交流会」を開催することとなりました。
全3回の開催を通じて講師を務めるのは、株式会社エンパブリック代表取締役の広石拓司さん。
広石さんからのレクチャーや、パートナーズの代表によるプレゼンテーションを通じて、能美市内でSDGsに取り組む仲間と出会い、新しい視点を得る機会として活用いただきたいと考えています。
第1回目となる今回は「地域課題を知る」をテーマに設定し、地域課題を知ることの意義、地域課題を知るためのアクションについて理解を深めました。
講師レクチャー 「地域課題」=「誰かの課題」?
交流会&勉強会は、広石さんのレクチャーからスタート。
SDGsで地域課題を見ていく時、「地域課題を『社会システム上の課題』と捉えることがポイント」と広石さんは述べます。
例えば、「車いすの人がまちなかの段差を上れない」という課題があったとき、困っているのは車いすの人だけでしょうか?
高齢者の方や、小さな子ども、目の不自由な人、ベビーカーを押す保護者など、車いすの人以外にとっても、まちなかの段差は障害になっているかもしれません。
つまり、「まちなかの段差を上れないことが車いすの人の課題」なのではなく、「多くの人の通行を妨げる段差がまちなかにある」ことが、社会の課題(障害)なのです。
このように「地域課題」を「誰かひとりの困りごと」としてしまうのではなく、
・同じようなことが起きていないか
・起きているならその背景や構造には何があるのか(なぜ起きているのか)
・なぜ解決できないのか
と考えてみることが、地域課題をより深く理解するために重要です。
広石さんは、地域課題を理解する最初の一歩として「ぜひ地域に出て、地域で活動する人に会いに行ってください」と呼びかけました。
「能美市では良い意味で地域と企業が非常に近い印象を受けます。何からSDGsを始めようと悩んでいる方はぜひ地域で活動する人に出会いに行き、話を聞いて、『なぜ活動をしているのか』『なぜ続ける必要があるのか』を考えてみると、気づくことがあるのではないかなと思います」と、広石さんは締めくくりました。
レクチャーの中では能美市SDGs推進室の職員から、能美市の課題と、地域のために活動する様々な活動やのみ指標について紹介する時間もいただきました。
パートナーズプレゼン 課題に取り組む中で、見えてきたもの
続いてパートナーズの中から、地域で活動する団体を代表して能美市国際交流協会と三道山子ども食堂に、活動紹介のプレゼンテーションを発表していただきました。
能美市には1,200人以上の外国人が暮らし、能美市の全人口に占める割合は約2.4%。これは石川県の中でも1番高い割合になります。
そして能美市に住む外国人と能美市に住む日本人をつなぐ役割を能美市国際交流協会は担っています。
プレゼンテーションの中では、職員の清水さんから、外国人の方のニーズに合わせた日本語教室やフードドライブの活動が紹介されました。
また清水さんは、「在住外国人の方は、支援されるだけの人ではなく、自分たちも地域のために何かしたい、地域に入っていきたいと思っている方が大勢いらっしゃいます」と述べ、除雪・災害ボランティアや清掃活動に参加する外国人の方の活躍も紹介いただきました。
喜多会長からは、「外国人を雇用する企業の方にも、外国の文化を知っていただきたい。異文化理解の講義にぜひ呼んでください」と呼びかけがありました。
広石さんからは、「これまでは外国人と働くときに、外国の方が日本人に合わせる『同化』が中心でした。これからは外国の文化を日本人も理解しながら、企業の文化と上手く融合することが、企業を変革させる鍵」とコメントがありました。
道山子ども食堂では、障がいのある親子、不登校の親子、孤食の子どもを対象に、「少しでも居心地の良い場所を」という思いで2018年7月から活動を開始されました。
新型コロナウイルスの影響で食堂を開けなくなり、学校もお休みになる中で、これまで子ども食堂に来ていた家庭にお弁当の配布を始められたそうです。
工夫を重ねながらお弁当の配布を続ける中で、市の福祉課、子育て支援課、社会福祉協議会、いきいき共生課と相談・連携しながら、より幅広い方を対象としたお弁当配布や食料支援、学習支援を展開しています。
中川会長は「子ども食堂が、お母さんたちがほっと一息つけたり交流したりする場、心にゆとりを生む場になっていることを感じます」と、活動する中で得られた実感について述べられました。子ども食堂やお弁当の支援が単なる食料支援・生活支援にとどまらず、子育てをがんばるお母さんの心の余裕につながり、さらに子どもたちへの接し方が変わる様子を見て、活動を続けて良かったと感じているそうです。
また、事務局の田中さんは「子ども食堂を開催するまでこんなにたくさんの親子が生活に困っているということを知りませんでした」と話され、「すべての方に支援を届けることはできませんが、『気づく』ことの大切さを知りました」と、今回の【地域課題を知る】というテーマにも合った気付きを共有いただきました。
広石さんは、田中さんの気付きに触れながら「『どうすればいいかな』『こうしてみたらどうかな』と意見を交換しながら、活動をされてきたんじゃないかなと思います。経験がある方ばかりじゃなくても、話しながら続けていくことが大切なんだとあらためて感じました」とフィードバックされていました。
参加者の方からは、
「SDGsとは世界の・・・というイメージでしたが、地域の課題を知ることが大事だと初めて理解しました。」
「様々な団体がSDGsに対し、行動を起こそうとする中、もっとも当社の様な中小企業が壁を作っているのではないか…と改めて感じた。」
など、たくさんの気付きを共有いただいています。
第2回以降も、パートナーズのみなさんの意見を参考にさせていただきながら、実施していきます。
ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。